CUBITは合板の老舗メーカーニッタクス社で働くお父さんデザイナーが、最初は自分の息子達に合う椅子をつくることから始まりました。
そうした中で 私事で恐縮ですが子どもが生まれ、こちらはすくすくと育って いました。食卓で子供向けの高さを調整できる椅子で食事を していたのですが、うちの子はなにを勘違いしたんだか、椅子と 椅子の間を歩こうとして、床に落ちました。それで、ちょっと 食卓での食事はこの子の場合はこわいね、ということになり、 座卓での食事にしようということになりました。
私は個人的に、座ると「プー」と音のする子ども向けのパイプ椅子を使いたくありませんでした。それで試作のときに余った合板を使って作ったのがこのチェアでした。
側板と背を同じパーツにしたり、少しでも軽やかに見えるように、デザインを工夫しました。
我が家の場合は、すごくはまりました。お父さんとしては自分の 作ったモノを子どもが使っているのをみるのは、とてもいい気分。 友人たちへも受けがよいので商品化できるかと考え、企画書を 書いて、会社の許可をいただき、世に送り出したのが2000年。カタログづくりや商品撮影など、いろんな人に協力してもらいました。
ともかく、予算はないし私自身もノウハウもなく試行錯誤の日々でした。
素材の品質はいい、だからたくさん材料をつかうと、高い商品になってしまう。しかし、子どもサイズならいい素材をつかっても、材料コストは抑えられる。加工費は抑えながらも機能性はきちんとしたものにしたい。使い手の基準をしっかり考えて作りました。
商品化にあたりデザイン・試作・検討を繰り返したから自信を持って薦められる品質です。ひとつひとつ納得いくまで考えて作っていったのがこの「子どもの家具」なのです。
「CUBIT」シリーズを展開する「ニッタクス社」とは・・・ ニッタクス社はなんともうすぐ90年の老舗の合板メーカー。 社名変更する前は『新田ベニヤ』という社名でした。(知っているという方は結構年配の方かも・・・) ニッタクスでは合板のほか、 木の性質に加工性や強度を持たせた積層強化木という素材も製造しています。これは例えば、包丁の柄や、ドアハンドルの素材、学校給食用のお箸にも多く使われ、気づかないうちに私たちの生活に活躍しています。 次のページからは、デザイナーの目線で書いたコラムをご紹介しています。 ゆっくりとご覧下さい。 ・・・→>