ノアの方舟はご存じですよね。 ノアは神様からの啓示を受け、世界の世直しのための方舟つくりを、無理やり言いつけられます。 最初は困ったでしょうね。山で舟をつくるなんて。でもノアは舟を作り出します。そのとき、神様は舟のサイズを○○キュビットという単位で指示していたのです。 キュビットはずいぶん昔の長さの単位で、しかもバイブルに載っているんです。 でも記憶している人は少ないかな。 1キュビットは約46cm。腕尺ともよばれているようです。
私はモノづくりで大事なのは「スケール感」だと考えています。 日本の「尺度」という言葉も、ものだけではなく、例えば食べる量も、働く・休憩する時間もそれぞれに適した量があるし、昔から、その適量は様々に言い伝えられてきています。 必要とされる機能を果たし得るサイズ。 他の商品との差をつける目的で大げさな形にするのは、本来の意図からは離れてしまう。 「差別化」っていったりもしますけど、私はそういうデザイン得意ではないですし、そうした意図のモノはやはり、私にとっては見るにも使うにもアンバランスです。
スタイリングだけのデザインにならぬように自分への戒めという意味と、単位があってはじめて大きさは伝達できるっていう当たり前のこと、そして、そんなベーシックな「尺度」を大事にしたいという願いをこめて、シリーズ名を「CUBIT」と名付けました。 これからも、そんな視点でモノづくりを続けていきたいと考えています。
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